気怠いお隣さんと恋始めます!
それにすっと通った鼻筋、形の良い唇と、一つ一つのパーツがそれぞれに整って色白で綺麗な顔の上に並んでいた。

その時彼の名前が柳さんだということを知ったが、今時律儀だな、と呟いて粗品を受け取った柳さんはピクリとも表情を変えず、わざわざご苦労様、そう言ってまた気怠げに部屋に戻っていった。


その後、出勤時間が同じなのか朝玄関のドアを開けるとバッタリ出くわすことが多く挨拶を交わす程度にはなっていたが、にこりともしない柳さんの表情筋は死んでいるのかと、そう思っていた。



「…柳さん、笑うんですね」

そう指摘すると、

「…俺を何だと思ってるの」

ゆっくりと眉間に寄る皺。

「…すいませんっ!初めて会った時も、朝挨拶する時も1回も笑ったの見たことなかったので、表情筋が死んでるのかと…」

「…まあまあ失礼なこと言ってる自覚、ある?」

すっ、と細くなる目。
わ、初めてみる表情がいっぱい…表情筋、生きてた…じゃなくて!
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