涙の涸れる日
 里香と樹里とも、お休みには会っていた。
 みんな週休二日で土日がお休みだから……。

 先輩と会う日と被る事は殆どなかった。

 三人で、新しく出来たショッピングモールで買い物したり、映画を見たり、食事に出掛けたり、飲み会も……。

 それが……。
 二回くらい被ってしまった時、樹里に言われた。

「紗耶、もしかして彼でも出来たの?」

「えっ? そんな事ないよ」

「だって、この前も用事があるって言ってたよ」

「そう、だよね……」

「正直に言いなさい」

「うん。実はね……」
私は、これ迄の高梨先輩との偶然な出会いから全て話した。

「へぇ。あの高梨先輩と?」

「あっ、でも友達としてだからね」

「はぁ? あのモテ男とお友達だって言うの?」

「そうだよ。友達」

「そんなの有り得ないよ。あの高梨先輩だよ。紗耶、まさか手出されてないよね?」

「はっ? そんな事ある訳ないよ。友達なんだから」

「友達ね……? うーん。それはさ、色気抜きで本当に友達だと思ってるか? 紗耶の事、本気なのか、どっちかだね」

「はぁ? 本気って……」

「本気は本気だよ。紗耶との将来も考えているって事」

「まさか……」

「今度、会ったら聞いてみなよ」

「そんな事、聞けないよ……」

「だよね。紗耶だもんね……」
樹里に呆れられてる私って……。


< 24 / 152 >

この作品をシェア

pagetop