【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚


 
 そう言われて実際に言うと、折れたというのもあるけど……。この人となら、もしかしたらわたしは幸せになれるのかもしれない。そう思った。

「えっ、本当ですか?」

「はい。……わたしも、あなたとなら幸せになれるのかもしれないって。そう思いました」

 そう言って微笑んだわたしに、高木原さんは嬉しそうに微笑んで「嬉しいです。ありがとうございます」と言った。

「……こちらこそ」

 そんな彼の想いを受け止めたわたしは、これからどんな未来を作っていくのか楽しみになってくる。 彼となら、素敵な未来を作って行ける気がする。

 「美鈴さん」と呼ばれて「はい」と返事をすると、高木原さんは「あのさ、美鈴って、呼んでもいいかな?」と聞いてきた。

「……はい。どうぞ」

 美鈴か……。急に呼び捨てになるとちょっと恥ずかしい気もするけど、まぁいいか。

「ありがとう。 じゃあ美鈴って呼ぶね」

「はい」

「俺のことも、梓(あずさ)って呼んでくれていいからね?」

「梓(あずさ)……」

 急に名前を呼ぶっていうのも、恥ずかしいな……。
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