【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚



 お母さんと結婚したおかげで、それはなくなったってことだし。良かった気もする。

 それにお母さんは、秘書としてはかなり優秀だったみたいで。秘書としてかなりお父さんには厳しかったそう。 だからと言う訳ではなさそうだけど、お父さんは今でもお母さんに逆らえないらしくて、いつも尻に敷かれている。

 会社ではお父さんの方が偉いけど、家ではお母さんの方が一枚上手(うわて)なのだ。そんなお父さんを見てるのは、悪くないけど。

 わたしが卵焼きを焼き終えた頃、お父さんは眠そうに起きてきた。

「おはよう、お父さん」

「おぉ、美鈴。おはよう」

「秋一さん、早く朝ごはん食べてください」

「……はい」

 お父さんはやっぱり、お母さんには敵わないようだ。だけどそんな二人を見てると、羨ましくもなる。 だってお母さんもお父さんも、お互いのことを本当に思い合ってるし、お互いに本当に愛してるみたいだし。

「美鈴、お味噌汁持ってきてくれる?」

「分かった」

 お味噌汁をテーブルに運んで、みんなで一緒に朝ごはんを食べるのが毎日の日課だ。それはお母さんが決めたことで、ずっとそうだ。
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