【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚



「……梓、さん?」

「愛してる、美鈴」

「……はい」

 「愛してる」そう言われて嬉しくなった。心がキュッとなって、ドキドキした。

「俺にはもう、君だけだ。美鈴以外の人を愛することは出来ない。……だから、流奈のことも全部過去なんだ。 それを分かっていてほしい」

「……はい。覚悟は、出来てます」
  
 そんなわたしを手を握りながら、梓さんは流奈さんのことを話してくれた。

「流奈とは、親父が主催したパーティーで初めて会ったんだ。いや、正確には紹介されたんだけど……。最初会った時はすごくいい子だなって思ってたんだ。 親父の知りたいの娘さんということもあって、親父に進められるまま流奈とふたりで会った。それで何回かデートした後、流奈との交際が始まった」

 流奈さんとの出会いも、今のわたしたちと、同じような感じなんだ……。

「だけど俺との交際が始まってから、流奈は人が変わったように金遣いが荒くなった。俺のためだとかなんとか言って、高級なバッグや靴、服まで全部ブランド物で揃えるようになって……。気飾る自分を見てほしいと言わんばかりの変わりっぷりだったよ」
< 71 / 112 >

この作品をシェア

pagetop