【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚



 みんなが幸せなら、それでいい。

「ただいま、美鈴」

 自宅から窓の外を眺めていた時、梓さんが帰ってきた。

「あ、おかえりなさい」

「どうした? なに黄昏れてるんだ?」

 リビングのソファにカバンとスーツの上着を置きながら、梓さんは不思議そうにそう声をかけてきた。

「ううん。 毎日わたし、梓さんのおかげで幸せだなって思って」

 わたしがそう言うと、梓さんはわたしの隣に来てこう言った。

「俺の方が毎日、幸せだよ。美鈴の手作りのお弁当のおかげで、俺は毎日仕事が頑張れるんだ。……ありがとう、美鈴」

「ううん。 わたしはあなたの妻として、当たり前のことをしているだけだから」

 妻として、夫に尽くすことは当たり前のこと。だからわたしは、これから何十年先も梓さんの妻として、出来ることを精一杯やる。

「美鈴、前にも言っただろ? その当たり前が、俺にとってはいつもありがたいことなんだよ?美鈴のために毎日頑張らなきゃと感じさせられる」

「……梓さん」

「これからもずっとそばで、俺を支えてくれ」

「はい」

 当たり前です、梓さん。わたしはあなたの妻ですから。

【完結】
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