私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。


あまりにも不気味で不穏な空気を醸し出したからだろうか、姫様は小さく悲鳴をあげてその場から逃げ出そうとする。

しかし、そこで度肝を貫かれる光景が。

ニセモノ韋駄天様の背後から、突如、触手のようなモノがいくつも現れて、姫様の身体を捕らえたのだ。

何あれ!……まるで、魔獣のような!



「やっ……やぁっ!たすけて!……おとうさま!おにいさまぁっ!」



この天界では見ることもない触手で捕らえられ、身動き出来なくなった羅沙姫は、体を振り動かしながらも、あたふたと辺りを見回しながら助けを求める。

その様子を見てまたニヤリと笑い、どんどん顔貌が崩れていく。

もはや、韋駄天様のお顔の原形は留めておらず、別の人物の顔となっていた。

目鼻立ちがくっきりとした、青年の顔に。

……あれが、特級犯罪人・架威の素顔!



「その『聖域』、頂く……!」



すると、その時。先程と同じような寒気が更に強まった状態で、ゾクゾクっと過ぎる。

これは、架威の神力の波動というやつなのか。本当に、魔族が発する魔力のようだ。

(あっ……!)

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