私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

「でも、まさか家族が知らないわけがない。さっきの様子から見ると、自己防衛反応であの【紅蓮の炎】を出現させたのは、恐らく初めてではないだろう。……恐らく、公にしない、隠すという判断を家族が取っているんだ。それを私たちがわざわざ竜樹に知らせるわけにもいなない」



要するに、何らかの理由で『聖域持ちを公にしない』と判断した、姫様の家族の意志を無視するわけにはいかない。

一族内の問題に、やたらむやみに踏み込むわけにはいかない。そう考えたのだろう。

確かに、『天導師』の竜樹様に知らせるとなると、大騒ぎになる可能性がある。

聖威は、姫様の家族の意志を尊重したのだ。



「なるほど……」

「それに、『聖域』を授かるには、儀式を介して得るパターンと……近しい身内に『聖域持ち』がいて、何らかの条件が重なって、生まれながらに受け継ぐパターンと二つある。姫さんの場合は、紛れもなく後者だ」

「えっ!そ、それって」

「恐らく、正体不明の母親が『聖域持ち』なんだろうな。だから、母親の正体を敢えて明かさないのかもしれない」

「……」
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