私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。


……私を庇ったせいで、こんなことに。



だが、ここは時既に戦の場。そう落ち込んでいる暇はないのだ。

やれることは、絶対にやる。

そう心に決め、意識がなくただ横たわる聖威に向けて両手を翳した。



「聖なる白い恩寵、光の祝福……光癒【光の泉】!」



言霊が反応すると、私の両掌に熱が篭った。放つ光を聖威に向ける。

……今の聖威は、体内が魔力に脅かされている状態。

体内の魔力を浄化してから、回復しなければならない。

時間はある程度要するが、どちらも【光の泉】で対応出来る。



両腕に巻きつくように神力の流れを感じ、掌から次々と術式で練り出した癒光を、聖威に注いだ。

量が量なので、先日の姫様同様、掌が焼けるように熱い。

今まではこんな短期間で何度も使うことがなかったからか、割とスラスラ滑らかに術式を施すことが出来て、時間がかなり短縮された状態で術式は完了してしまう。



「聖威?……聖威!」



術式が完了して両手を下ろし、寝ている聖威の肩を揺する、が。

聖威の意識が戻らない。目を開けることもなかった。

……え、何で?!

体内の魔力も浄化したし、治癒は完了してるのに?!

< 329 / 461 >

この作品をシェア

pagetop