私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
「では、【宿曜】であるこの私を喰らいますか?……まあ、そんな人喰いなんかで譲渡出来るような代物ではない。それに……魔族にも劣る行為に手を染めた貴方が、今更『星』に選ばれるわけもない」
狼狽えながらも、怒りに囚われ感情的になっている架威。
一方、聖威はあの神々しい神力を全身から発しながらも、淡々としていた。
対極的な二人、怖いぐらいに。
お互い黙って、鋭く見つめ合うその視線は、重なってひとつの線となっていた。
緊迫感すら、溢れる。
「……兄上」
先に沈黙を破ったのは、聖威だった。
「私は、諦めが悪かった。いや、今この時点でも、まだ諦めていないのかもしれない。……兄上が罪を認めて、投降してくれることを」
「……あぁ?」
架威の不機嫌そうな声が響いた。
投降、それは聖威の切なる願いだった……はず。
だが、その不機嫌そうな声ではたき落とされる。
「投降?!この後に及んで、まだそんなことを言っているのか、この愚妹は?」
「……でしょうね?それはもうわかりました。私がこんな状況でも、夢見がちな戯言を吐いているということは」