私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

裏切りの代償は大きい。それに、私は約束を果たすための決意をした。

もう、戻るつもりはないのだ。



……それらを、韋駄天様にどう伝えれば良いか、少し考えて無言になっていた、その時。

そこで、私らの間に入ってきたのは、やり取りを黙って見ていた豹牙様だった。



「おい、韋駄天。言っとくが、舞空は婚姻してる場合じゃなくなるぞ?」

「へ……あ、あぁっ!天子様!天の威を代る若き太陽の御子様ぁっ!」



豹牙様の存在に気付いていなかったのだろうか。尊き御子の存在に気付いた途端、またしても平伏して恐縮してしまった。

韋駄天様が、地に減り込みそう。

「土下座はもうええ。面をあげ!」と、豹牙様が側に寄ると、韋駄天様は言う通りに恐る恐ると顔を上げる。

顔を上げたところで、ようやく話が進みそうだ。



「……で、舞空が婚姻してる場合じゃなくなるとは、どのようなことで?」

「あ、それは……」

「だって舞空はよ、これから神術士になる修行を始めんだぜ?稀少な光治癒の素養があるんだ。おまえんのとこの領地経営の補佐してる場合じゃねえの」

「へっ?!」

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