年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
啓太との話が先に進まないから、私は正直に話すことを決意した。
「啓太、これはもう何年も前の話だから。そう思って聞いてね」
「うん」
「あの頃、啓太の言う通り私は豪くんが好きだった。いつも悩みを相談したりして、側にいてくれていたのは豪くんだった。でもね、ある時、豪くんが告白されている所を聞いてしまって。その時の豪くんの返事が『好きな人がいるから』って。そう言って断っていたの」
「うん」
「それからだよ、私が豪くんと距離を置くようになったのは。豪くんに好きな人がいるのに、私が豪くんの側にいては迷惑でしょ」
「・・・・・。」
「啓太?これが全部だよ。よく聞いて。今、私は豪くんのことは何とも思ってない。好きなのは啓太なの」
「・・・・・。」
「えっ?啓太?どうして泣いているの?」
「優菜と豪先輩をあの頃に戻してあげたいよ。そんなのあっていいのかよ。ボタンを掛け違えただけじゃないかよ」
「啓太、何を言っているの?泣かないでよ。私まで意味もなく悲しくなるでしょ」
「ねぇ優菜。その話、今夜の送別会で豪先輩に話してみたら?過去の話なんだから、話せるよね」
「もう今更いいよ。こんな話したって豪くんには迷惑なだけだよ」
「いや、過去のことだけど豪先輩は優菜の気持ちを知ったら喜ぶと思う。あとは優菜と豪先輩の問題だから」
「豪くんとの間に問題なんてないよ。変なことばかり言って。もう豪くんの話はやめよう」
「ん。分かった。ごめんね優菜。言いたくないことまで言わせちゃって」
「ほんとうだよ、啓太!変な空気になったでしょ。せっかく啓太が遊びに来てくれているんだから出かける時間まで楽しく過ごそうよ」
「うん」