年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
私たちが揉めているのに気が付いた豪くんが、間に入ってくれて。
「優菜、ごめん。少しやりすぎたよ。高橋も。大丈夫か?」
そう言って私の手を掴んで引っ張り、起こしてくれた。
高橋くんの手は私が掴み、起こしてあげようと思ったら、高橋くんは鼻血を出していて。
「先輩、すみません。俺、大丈夫ですから」
「いやいや、全然大丈夫じゃないよ。保健室、行こう。さ、立って」
私は女子部員に断って、高橋くんを保健室へ連れて行った。
保健室の鍵は開いているのに先生がいなくて。
私が鼻血の手当てをして、真っ赤になった高橋くんの顔を冷やしてあげた。
「あの、先輩。すみませんでした」
「ううん、気にしないで。アイツら、少しやり過ぎだなって思っていたから、今日怒ることができてスッキリしたの。ふふっ。高橋くんのおかげだね」
「先輩は、男の先輩に怒ったりするのって怖くないんですか?」
「平気だよ。だって部活じゃない時は皆仲良いもん。なんでも言い合える仲間なんだよ」
「そうなんですか。それならいいけど」
「それより、顔痛くない?赤くなって少し腫れてるんだよね」
そう言ってアイシングバッグを外し、そっと高橋くんの頬を触ってみた。
「やっぱりまだ熱持ってるね。もう少し冷やしておこうね」
「先輩は優しいですね。なんか涙出てくる」
そう言って高橋くんは私に背を向けた。