愛して欲しいなんて言わない!
意味もなく会社を大きくしたがる父親が
考えそうな
策略だ

全国に子会社を構えてきたらしいけど
限界ってものがある

一人のおっさんが
裸で大きくするのは
苦労と忍耐と運が必要なのだろう

私の知ったことではないが


ただ
生まれた先が
会社社長の娘だったという理由で

私の将来がすでに決まっているようだ

残念!

むかつくし
苛々するし

怒鳴り散らしたいけど

そんなことをしても無駄なことはわかっている

だから後部座席に座った私は
運転席を蹴った

何度も蹴り続け

赤信号のたびに
「事故りなさいよ!」
と呟きながら
怨念を送る

意味のない行為だけど

私の心が軽くなる

苛々した気持はすっきりする

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