愛して欲しいなんて言わない!
「どうだ!
綺麗なっただろ?」

私はモップを優衣の
旦那に返した

「まあまあだな」

「ありがとうって言え!
掃除したんだぞ」

「ちょうど迎えが来たぞ」

「は?」

優衣の旦那が指さすほうを
見ると

西九条が駐車場に停めた車から
降りてくるところだった

本当に来た
優衣の言うとおり
西九条が迎えに来たのだ

「なんで?」

「用が終わったんだろ」

優衣の旦那が
素っ気なく答える

優衣がにこにこ笑顔で
私を見てきた

「ダーリンが来たよ~」

「ダーリンじゃないし!」

…つうか
凄い緊張してきたんだけど

絶対
優衣のせいだ!

意識させるようなことを
言うから

私が意識しちゃったんだ

「朝早くから
申し訳ありませんでした」

西九条が店のドアを開けるなり
優衣の旦那に頭を下げた

顔をあげた西九条が
私の顔を睨む

なんで
私が睨まれなくちゃいけないのよ!

「飯は食ったのか?」

「ここで食べた」

「そうか
本当に申し訳ありません」

西九条がまた頭を下げる

「いえいえ
また来たら連絡しますね」

「はあ?」

優衣の旦那の言葉に
私は大声をあげた

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