愛して欲しいなんて言わない!
「上履き、忘れたのか?」
背後から声がした
たぶん私に話しかけている
振り返ると
教師の顔をしている西九条がいた
土曜日に行ったカラオケの名残が
西九条には残っていた
声がかすれている
大声でシャウトしたわけじゃないのに
昨日は全く声が出ていなかった
風邪で喉をやられた人みたいに
ガラガラで
私は面白かった
「あ…う、持って帰ってないし」
ここは正直に言った方がいいのかな?
西九条だって
持って帰ってないと知っているはずだ
忘れた…というのくらい
嘘だと知っている
「どうして履いてないんだ」
「どうしてかな?」
私は首を傾げた
西九条は眉間に皺をよせて
不思議そうな顔をした
「無くなったのか?」
「そうとも言う」
「それしかないだろ」
「まあ」
私は頷いた
「客用のスリッパを
持ってくるから
待ってろ」
西九条は私に背を向けて
歩き出した
私は視線を感じて
顔を上にした
二階の窓から
青山 舞が
怖い顔で睨んでいた
やっぱり
犯人は青山だ
私を怨んでも無駄だよ
西九条は誰も愛してない
好きにさせたいなら
その大きな胸で虜にするしかないよ
心の中で
呟いてみるが
その気持ちが青山に
通じるわけなかった
背後から声がした
たぶん私に話しかけている
振り返ると
教師の顔をしている西九条がいた
土曜日に行ったカラオケの名残が
西九条には残っていた
声がかすれている
大声でシャウトしたわけじゃないのに
昨日は全く声が出ていなかった
風邪で喉をやられた人みたいに
ガラガラで
私は面白かった
「あ…う、持って帰ってないし」
ここは正直に言った方がいいのかな?
西九条だって
持って帰ってないと知っているはずだ
忘れた…というのくらい
嘘だと知っている
「どうして履いてないんだ」
「どうしてかな?」
私は首を傾げた
西九条は眉間に皺をよせて
不思議そうな顔をした
「無くなったのか?」
「そうとも言う」
「それしかないだろ」
「まあ」
私は頷いた
「客用のスリッパを
持ってくるから
待ってろ」
西九条は私に背を向けて
歩き出した
私は視線を感じて
顔を上にした
二階の窓から
青山 舞が
怖い顔で睨んでいた
やっぱり
犯人は青山だ
私を怨んでも無駄だよ
西九条は誰も愛してない
好きにさせたいなら
その大きな胸で虜にするしかないよ
心の中で
呟いてみるが
その気持ちが青山に
通じるわけなかった