愛して欲しいなんて言わない!

新たな刺客

「おはよう、小西さん」

下駄箱で小林に声をかけられた
私は靴をいれる手を止めると
小林の顔を見た

「おはよう」

「今日は早いんだね」

「そう?
いつも通りに出てきたけど」

出発時間が早かったのか?
時間も見ずに、家を出たから
わからないよ

だって

西九条といると
苦しいから

息がつまって

呼吸の仕方がわからなくなる

心臓がバクバクしておかしくなりそうだ

なんで?
どうして?

私にはわからない

「上履き、どうしたの?」

「え?」

今日もスリッパをはく私に
小林が疑問に思っているようだ

「あ…ちょっと」

「忘れた?」

「ううん
なくなったみたい」

「え?
大丈夫?」

「うん、まあ。
新しいのを買うつもり」

「そっか」

小林が悲しそうな眼で私を見た
哀れんでいるようだ

別に私は気にしていない

近々
西九条が買ってくれるだろうし
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