幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
「そんな者は、この家にはいない。あれは失敗作だ!」
シッパイサク。
その言葉は、妙にフランチェスカの胸を抉(えぐ)った。
食べながら、こっそり胸に手を当ててみる。シッパイサクってなんだろう。
その日以来、リーゼロッテの姿は屋敷から消えてしまった。それに、屋敷の空気が変なのだ。
母は、ずっと泣いていて、泣きはらした目で、時々どこかに消えていく。それ以外の時は、フランチェスカにべったりだ。
「お母様、リーゼはどこに行ったの?」
「……かわいそうなフランチェスカ。かわいそうなリーゼロッテ……あなた達には、何の罪もないのにね」
ぎゅっと母の手が背中に回されて、フランチェスカは母の腕に身をゆだねる。母の頬が濡れていた。
寝室に入っても、リーゼロッテが使っていたベッドは空っぽ。いや、リーゼロッテの兎だけがベッドに残されている。
神殿に行くのにフランチェスカは、ぬいぐるみを抱えずにはいられなかったけれど、リーゼロッテは、大切に枕元に座らせていた。
(リーゼは、私よりお姉さんだった)
不意にそんな風に思う。
シッパイサク。
その言葉は、妙にフランチェスカの胸を抉(えぐ)った。
食べながら、こっそり胸に手を当ててみる。シッパイサクってなんだろう。
その日以来、リーゼロッテの姿は屋敷から消えてしまった。それに、屋敷の空気が変なのだ。
母は、ずっと泣いていて、泣きはらした目で、時々どこかに消えていく。それ以外の時は、フランチェスカにべったりだ。
「お母様、リーゼはどこに行ったの?」
「……かわいそうなフランチェスカ。かわいそうなリーゼロッテ……あなた達には、何の罪もないのにね」
ぎゅっと母の手が背中に回されて、フランチェスカは母の腕に身をゆだねる。母の頬が濡れていた。
寝室に入っても、リーゼロッテが使っていたベッドは空っぽ。いや、リーゼロッテの兎だけがベッドに残されている。
神殿に行くのにフランチェスカは、ぬいぐるみを抱えずにはいられなかったけれど、リーゼロッテは、大切に枕元に座らせていた。
(リーゼは、私よりお姉さんだった)
不意にそんな風に思う。