死神は花を狂おしい程愛してる
「洋次、もっと…オブラートに包んで言え!」
「は?
でも、そうゆうことでしょ?」
「は、はい…」

「アイツ等なら、金で解決できるんじゃねぇの?」
「でも、最近…金額的にも大きくなってきてて……」
「ふーん…いいや!
わかった。お前は、いいヒントくれたしな……」
意味深に微笑む、蒼士。
「え…?蒼士様?」

「ん?こっちの話!
洋次、ちょっと用意して欲しいものがある」
「え?」
「━━━━━━!!」
蒼士が、洋次に耳打ちする。
「それって…いいの…?
さすがにそれ……酷すぎる…
俺でもわかるよ、残酷な行為だって……」
感情が欠落している洋次でさえ、わかる残忍な行為だ。

「あ?
なんだよ、洋次。
文句あんの?」
「ううん。そうじゃないよ。
ただ、やっぱり東園の人間なんだなって思って…!」
そう言って、一度外に出た洋次。

蒼士の頼まれ事。
それは━━━━━
【避妊薬用意してくれ!
花楓が一生、妊娠できないように………】

「ほんっと最低な、死神だな。
蒼士は……」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
その頃の、花楓。
羽山と二人、会場の外で待機している花楓。
蒼士の命令で、人とできる限り関わらないようにしている。
「羽山さん、飲み物取りに行ってきますね!
少し位なら、会場入っていいですよね?」
「あ…ダメですよ!
蒼士様のご命令なので……
喉が渇いたのでしたら、ここの従業員に持ってきていただきましょう」
会場に向かおうとする花楓の腕を掴む、羽山。

「え?でも……
……羽山…さん?」
羽山の表情に驚愕する。
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