死神は花を狂おしい程愛してる
「大丈夫…」
「良かった……
それよりも、その服……
花楓って絶対、俺のことを煽ってるよな…?」
「え……
あ、いや!これは…咄嗟に自分が服が見つからなくて……ごめんなさい!すぐ着替えるから!」
脱ごうとする手を掴んだ、蒼士。

「よく見せて?」
花楓の両手を開かせて、立たせた。
「蒼士さん…恥ずかしい……」
「綺麗…花楓が着ると、ミニのワンピみたいだな…!可愛い……」
「ほんとに恥ずかしいから、着替えさせて」
「ダーメ!このまま、ベットに行こ?まだ夜中だし寝ようよ。
てか!勝手に俺から離れてるし」

ベットに移動して、また抱き締められ横になった。
「花楓…愛してるよ…」
「………」
「女って、利用するだけの生き物みたいに思ってた。
でも花楓に出逢って、人を愛するってこうゆうことなんだって知ったんだよ。
放れたくないし、放せない!
どんどん…愛情が深まるんだ。
どんどん…落ちてくんだ、底なしみたいに。
きっと…まだまだ落ちてくと思うんだ。
花楓が俺の心、毎日奪ってくから。
ちゃんと…責任もって俺から放れるなよ…?」

花楓の蒼士に自分以外の夢中になれるものを見つけてもらういぜんに、益々花楓しか見えなくなっている蒼士。
だからといって、放れることもできない。
それが使用人の誓約書の為か、時々沸き起こる蒼士への愛情なのか。

花楓は矛盾している自分自身に、混乱していた。


次の日の午後、花楓は一人で庭のベンチで雑誌を読んでいた。
「いいなぁ。美味しそ~!」
「蒼士様におねだりすれば、いいのに!」
いつの間にか、羽山がいた。
コーヒーを持ってきてくれたみたいだ。

「きっと…蒼士様、喜びますよ?」
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