彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
氷牙さんは
このイチゴ部屋をぐるりと見まわすと
「イチゴの掛け時計を買った時が
一番恥ずかしかったわ」と、
壁の上を陣取る
赤と緑のブツブツお化けを見て
苦笑いを浮かべているけれど。
氷牙さんの横顔を見れば見るほど
疑惑が膨らんで止まらない。
「あの……氷牙さん……」
「ん?」
言わなきゃ!
氷牙さんの好きになった人は、
100%私じゃありませんって。
私は絶対に
『イチゴが好き』なんて、言いませんって。