彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
しばらくして、
心がだいぶ落ち着いた。
布団に大きな涙のシミができるくらい
泣きはらしたからかな?
もう、涙なんか出なくて。
台風の時みたいに暴れ続けた
心の荒波が、
さざ波くらいに静まり。
――甘い紅茶でも飲もう。
涙の跡をこすりながら、
キッチンに向かっていると
ピンポーン。
客人を知らせる、玄関チャイムが。
今は、夜の9時前。
夜勤の父は、仕事中だし。
こんな時間に我が家に来るのって、
宅配くらいだよね?