君に捧げる一途な愛

「あっ、すみません」

まさか気づかれているとは思わなかった。

「魚より俺に興味を持ってくれてるってこと?」

そんなことを言われ、私の頬は真っ赤に染まる。

「そ、うかもしれません」

焦りからうっかり口を滑らせると、今度は政宗さんの顔が赤くなった。

「冗談のつもりだったのに、そんなこと言われると思わなかった」

そう言って口許を手で覆う。
さっき、照れるとか言っていたけどそんな素振りはなかった。
でも、今は本当に照れているみたい。
こんな政宗さんを見れるなんてレアだ。
私がまじまじと見ていたら、不意に手を握られた。

「こら、そんなに見ないで。移動するよ」

私の手を繋いだまま歩き出す。
耳まで赤くして照れている政宗さんが可愛く見え、私の頬はだらしなく緩んでいた。

通路を挟んだ両側に水槽があり、順番に見て回る。
ふわりふわりと水の中を漂うクラゲたち。
照明を工夫しているのか、赤や黄色などの光に照らされたクラゲが幻想的ですごく綺麗だ。

そのあと、ペンギン館に立ち寄った。
ちょうど餌やりの時間だったみたいで、飼育員が餌の入ったバケツを持って歩いている後を追っている。
そのピョコピョコ歩いている姿が可愛くて、思わずスマホを構えて動画に収めていた。

「可愛いですね」

「そうだな。餌を求めて必死に歩いている姿は微笑ましい」

ペンギン館の水槽は下からペンギンたちが泳ぐ姿を見ることが出来る。
まるで空を飛んでいるように泳ぐペンギンを見ていたら、私の口はポカンと開いてた。
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