モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。

「……っ、なにっ」

「今、もっかいする?キス」

「っ!?」

一気に縮んだ距離。

視界いっぱいに彼の整った顔。

鼻先が触れそうなほどの近さが、あまりにもいきなりのことで。

身動きが取れなくなって思わずギュッと目をつぶっていたら。

「……なんてね」

そんな声とともに頭に何か重さを感じて。

ゆっくりと目を開ければ、椅子から立ち上がった水牧くんが私の頭に手を置いていた。

「期待してたところ悪いんだけど、今はまだおあずけ」

「……っっ、はぁ!?期待とか一切してないから!ほんと無理っ!変態!」

「ちょっと。そんな大きい声出したらみんな起きるって。ほら、戻るよ」

水牧くんはこちらに背を向けながらそう言って先にテントへと戻って行った。

ありえないほんと……。

水牧くんもだけど、私もだよ。

今、キスされるかもって、身構えてた……最悪だ。

……消えてしまいたい。


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