【完】孤独なメイドは執事を独り占めしたい

お父様はパンが売れればそれでいいと言っていますが、ボクとしてはちょっと複雑。




「さすが俺の娘。今年のバラも上出来だ！」



「まだまだ。城にいた頃とは土も水を違うから育てるのが大変だよ」




このバラは一年に一回、お店の開店記念日にパンを買ってくださった方にお配りしているものです。




毎年喜んでもらえてボクは嬉しい限り。




「ライアンさん、このバラもお願いします」




「あぁ」



ライアンさんも引き続きお父様と一緒にパン屋さんを営んでいます。毎日賑やかで楽しいです。




あれから四年か。テオ様はオリバー様の跡を継いで城の王に。




アルーシャ様はベラ様に指導して頂きながらまた新しい運命の男性を探しているのだとか。