【完】孤独なメイドは執事を独り占めしたい
二人が帰り道で通りかかったのは幼い頃、テオやアルーシャ。ルイスとよく来た城近くの広場だ。






「覚えています。あの頃のままだ」








「そうだ。あの頃のまま、この形で残してある」








「え?」








「実はここの広場を無くして新しく家を建てる話が半年前にあったんだ。だけど俺もここはどうしてもなくしたくなかったから父さんと話し合って他の空いている土地に家を建てることにしたんだ」









そうか。ここ、なくなりかけていたんだ。思い出の場所がなくなるのは寂しい。ボクたちの思い出の場所だもん。









けど、テオ様も同じようにここがなくなるのは寂しいと思って必死に他の土地で話をつけてくれたんだ。
< 94 / 148 >

この作品をシェア

pagetop