独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
掴んだ幸せ
ついに結婚式当日がやってきた。

ブライズルームを訪れた玲於奈さんは、私のウエディングドレス姿を見て息を呑む。

「琴子さん、すごくきれい……」

たった今挙式を終え、披露宴のために白無垢からウエディングドレスに着替えたところだった。まだ透哉さんも見ていないので、玲於奈さんが一番乗りだ。

ぎりぎり三日前に完成した、ロングトレーンの純白ウエディングドレスは、Aラインのシルエットがとてもきれいで、かわいさとおとなっぽさが共存している。玲於奈さんがディテールまでこだわった繊細で美しいレース使いには、華やかさと凛とした品さがあった。

彼女に手がけてもらえて本当によかったと思う。

これ以上に私を美しく演出してくれるドレスはきっと存在しない。

「本日はおめでとうございます」

私を祝ってくれる彼女の表情も、とても晴れやかだった。

「ありがとうございます」

透哉さんと玲於奈さんはもうすっかり元通りで、私が心配することはなにもなかった。

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