独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
車内には緊迫した空気が張り詰める。

そこへ、透哉さんのスマートフォンの音が鳴り響いた。

「……ああ。琴子を辞めさせてきた。君の紹介でこんなことになったからには、今後君との付き合いも考えさせてもらう。ウエディングドレスの件は当然キャンセルだ」

透哉さんは電話をかけてきた相手に冷淡に告げた。

そしてすぐにスマートフォンを私に差し出す。

「玲於奈が琴子に謝りたいと言っている」

「玲於奈さん?」

電話の相手は玲於奈さんのようだった。

『琴子さん、私のせいで本当にごめんなさい。朝に透哉から電話があって、たった今森窪さんから事情を聞きました。森窪さんがあなたにいかがわしいアルバイトをさせていたなんて……。私、なんて人をあなたに紹介してしまったんでしょう。透哉があんなに感情的になっているところを見たのは初めてです』

「玲於奈さんのせいじゃないです。それに私は自分の意思で勤務先を変更したんです。森窪さんに無理やり働かされていたわけじゃありません。私、そうきちんと透哉さんに説明します」

『いいんですもう。透哉は私がああいう店を経営している男性をあなたに近づけたこと自体怒っていますから。きっともうなにを言っても許してもらえないと思います』

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