Eye Love
き…きつい。
な…何だこのむさ苦しい空間は?

俺は今、生まれて初めての満員電車を体験しているところだった。

どうやら、覚悟が足りなかったようだ。俺が想像していたのより、二倍はきつい。

は…早く着かないかな?
周りを見回しても、オッサン、オッサン、またオッサン。

可愛い女子高生に囲まれたら少しはいいのに…。
って俺、何考えてんだ?

そんな邪しき妄想をしていた為か、電車が揺れた時に踏ん張り切れずに、態勢を思い切り崩してしまった。

吊り革を使って、何とか転ぶという最悪の事態は回避したものの、周りからの白い目線が俺に突き刺さる。

…俺だってわざとやったんじゃないんだから。

だけど、心に隙があったのは確かなので、俺は素直に自分の非を認める。

すみません。と周りの人に小声で言い続ける俺。

早く着かないかなぁと、思ったものだった。
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