篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。



「俺がしたくなったから。もうこれからはお礼とかナシで、俺がキスしたい時にしたらダメ?」


うっ!イケメンの上目遣いはズルい。


でも、それを許してたらキスフレンドの意味がなくなるじゃん。



「したい時にしたら、付き合ってるのと同じだよ」


「じゃあ、付き合う?」


「あんまりからかったら、カレーあげないからね!!ほら、早く靴脱いで着替えてっ!部屋はこっち!」


「……俺は本気だけど」


篠宮くんがぼそっと何かを呟いたけど、聞こえなかった。

先に駆け足でリビングへと向かう。


危なかった。もし弟と妹に見られたら、絶対質問攻めに遭うに決まってるよ。


ドキドキしながら、父親のスウェットを取りに行った。



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