あなたに巡り会えてよかった…
私の胸はドキドキしたけど彼には気付いてももらえなかったってことだよね。

ハハハ…とから笑いが漏れた。

家に帰りベッドにゴロンとした。

なんだか疲れちゃった。

1人舞い上がってしまった私の心からため息がもれてくる。

運命なんてない。

そう思うと力が抜けウトウト眠ってしまった。


目が覚めるともう辺りは真っ暗。
起き上がるとベッドの上にあった旅行記が落ちた。
拾い上げると彼のサインしたページが開かれた。

『会いたかった。連絡が欲しい。090……。タツキ』

と書かれていた。

サインかと思って確認もしなかった。
彼は私だって気がついていたの?

また胸が昂まり鼓動が速くなる。
連絡が欲しい?
私、連絡していいの?

震える手で彼の番号を押した。
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