イケメンなアイドル幼なじみと、甘々な同居生活365日。


 待ち合わせ場所に到着して、車から降りる。

「あ!胡桃」

「りーくん!!」

 走ってきてくれたりーくん。

「うゎ、可愛い。写真撮ってもいい?」

「お、お見苦しくなければ」

「ふふっ、そんなこと絶対ない、じゃあ撮るね〜」

「あ!ま、待って!ぷ、プリクラ一緒に撮らない?」

「いいよ?」

 ちょうど近くにゲームセンターがある。

 プリクラのコーナーに入れば、カップルがいっぱい。

「あ、あそこ、入ろ!!」

 なにも見ずに適当に指差して、そこにりーくんを引き入れる。

「よ、よし、撮ろう!!」

 すると、音声が勝手に喋りだした。

「まずは彼女さんが彼氏さんに抱きつこう!」

「へっ!?」

「胡桃、気づいてないかもしれないけど、ここ、カップル用のプリクラだよ?」

「ええっ……」

「ま、せっかくだからやろ?もったいないでしょ?」

「そ、そうだね」

 親が頑張って働いてもらったお金だもんね……!

「じゃあ、いきます!」

 ギュッと目を瞑ってりーくんに抱きつく。

 そのあとも、手を繋いだり、一緒にハートマークを作ったりとしていると、最後になった。

 でも、最後は……キスだった。

「りーくん、さすがに……」

「……」

 すると、りーくんは無言になって私にキスをしてきた。

「んっ……!……りーくん……?」

「くるのこと、好きだから……ごめんね、キスしちゃって……」

「好きって、ななちゃんと私みたいな、好き?」

「そうだよ」

「わかった」

 好きって気持ちを、踏み躙るのは嫌。

< 111 / 199 >

この作品をシェア

pagetop