キミだけは推さない、!( º言º)
「わたし、来年受験生じゃん」
「ああ」
「希望大学も。学部も、パパが決めてさ」
「そうか」
「それを疑問に思うこともなければ、嫌でもない。かといって、そこがいいとも思わなくて。なにがしたいか、わからない」
なんでこんな話、してるんだろ。
よりによって夢を叶えたひとに。
カッコ悪すぎ。
ぜったいバカにされる――
「わからないといけないのか」
……え?
「俺らくらいの年のヤツなんて。だいたいが、そうなんじゃねえの。
たとえガキの頃に夢があったとして、現実との差に落胆したり。
なんも見えてないヤツの方が多い気がするけどな」
「……でも。ナナセは」
「俺は偶然にも、やりたいことが、見つかった。はやく見つけりゃ偉いのか?」
「焦っちゃう、かな」
「生きてくためにやりたくもない仕事してる人間を。ジジイになって夢を追ってる人間を。お前は笑うか」