キミだけは推さない、!( º言º)
「ナナセ。起きなくていいの?」
「んあ?」
すっかり回復したらしいアキラが、俺の部屋に入ってくる。
「もういいのか」
「おかげさまで」
心配させんな
元気になったなら良かった
――――そんな言葉が、素直に口から出てこない。
アキラを目の前にすると
つい、思ってもないことを口走ってしまう。
お前のコンプレックスらしき
小さな胸だって
何度もバカにしておいてなんだが
俺にとっては、もちろん
興味の対象でしかないわけで――
「え。少女漫画」
しまった。
仕事のために読んでた漫画
テーブルに起きっぱなしで眠っちまっ……
「ドラマの原作かあ。熱心だね」
「……うっせ」
「天才も影では努力してるっていうけど」
誰のためだと思ってんだ。
俺、いい男になったろ。
もう女と間違えられるようなモヤシじゃねーし。
アイドルみてぇなチャラチャラした男でもない。