【完結】打算まみれの恋

 憎悪のこもった声を発して、クラスメイトの男は去っていった。私はもう何もかもが嫌になって顔を隠すみたいに俯いた。

 もう、疲れた。お姉ちゃん絡みで嫌な想いをするのは。私はお姉ちゃんを好きでいたいのに、どうして男はその邪魔をするんだろう。

 苦しい。姉のように綺麗に産まれていたら良かったんだろうか。何がいけないんだろう。小さい頃、お姉ちゃんの仕事の邪魔にならないよう愛想よく過ごしていたら、「お前は姉になれない」と言われたし、もう生きていること自体駄目なのかもしれない。

「緋奈さん!!」

 怒声かと間違うほどの大きな声が公園の入口から響いた。咄嗟に振り向くと滝永さんが息も絶え絶えでふらつきながらこちらに向かってきている。

「緋奈さぁん!」

 逃げようにも、トイレも公園の出入り口も滝永さんの後ろにある。私がベンチから立ち上がり一歩後ずさると同時に彼は転倒し、そのまま這いずってきた。
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