.*・゚ .゚・*.若頭の狂愛.*・゚ .゚・*.

もう一人の運命の相手





外で大きな音が鳴る





「なんだ?なんの音だ?」





男が不安げに言うと入口の方から誰かが歩いてくるのが涙越しに見えるけどはっきりはしない





「なぁお前らもう帰りなよ」





「あぁ?お前いい気になりやがって」






その言葉を言った男を横にいる男が口を塞いで止める






「すいません永遠さん」





その一言にさっき彼女が発していた言葉のなかの薬を渡した人がこの人だとわかる…




その一言にほかのメンバーもお辞儀をする





男が近づくと周りの男たちは止まり男が私に自分が来ていた大きめのカーディガンを羽織らせる






「なぁ最後に1個…君たちの中でこの子に手ぇ出したヤツ」






その言葉に一人の男がビクッとなる





さっき肩を舐めてきた男だ





男は近づきその男を殴る





と怖いほど大きな何かが壊れたような音がする





もしかして…骨…





他の男たちはビビっている





「なぁ…お前らもう帰りなよ…」





その一言で男たちは走って立ち去る






男は座り込んでいる私に目の前でしゃがみこみ話しかける





「なぁ…お前立ち上がれる?」






この男のことも知らないのに助けてくれたけど怖くて何も発せられない




男は私を抱き抱えると私にヘルメットをかぶせバイクの後ろに乗せる





男は椅子にまたがると私の手を腰に回そうとする






「痛っ…」






「あぁ…もうあいつほんとやり過ぎ…」





骨が折れてることに彼は気づいたのか私の片手だけを腰に掴むように手を誘導する






もう時間は暗い





ここがどこなのかさえ分からない






周りはビルが多いけどここは来たことがない






バイクが止まると小さな通路みたいな所へ出てからカフェと看板の着いている入口へはいると店員は何も見ていないように私たちに目をくれないでそのまま仕事を続ける






彼は私の手を引き奥の所まで引く





奥には部屋がありそこにはすごく細い女のメガネの人がいた








「あれ、あんた何その子…」





「治療してやって」





「理由も何もなしてってことはまぁ訳アリねぇ」





なにか怖いことをされるんじゃないかと不安になり部屋から出ようとするけど塞がれる





「大丈夫よ…ただの医者だから」





そう言うと彼女は私をね台の上に載せて
治療を始める





腕だけ麻酔をして他のところも治療が終わり腕に最後にギブスをはめられる





「助かったよ。また来るから」






「いつもそんな素直ならいいのに」






「うっせえな」





そう彼が言うと私をまた連れ出す





途中で人がいて叫んで逃げようとしたけど彼に手で塞がれてこれ以上抵抗はしても無駄だと思い知らされる





またバイクに持ち上げられ彼がまたがるとどこへ行くかも分からない所へ連れられる






少しすると大きなゴミ置き場みたいな倉庫に入る





ものが沢山置かれていてさっきの駐車場のようなところに沢山ものが置かれている





彼はそこの中のひとつの板を持ち上げると私を通すとそこはコンクリートで作られた隠れ部屋だった





とても広くて高級のホテルの一室みたいな広さ





私を通すと男はベッドに腰を落とす





私は入口で立ちすくんだままでいる





「なぁ…はらすかねぇ??」





その声を聞き入れずただ入口に立ち尽くす






男はため息を着くと私のぐちゃぐちゃのままの髪の毛を上にあげると顎をあげられる








彼としっかり目が合いその瞳に吸い込まれそうになると






まだ震えたままの体を彼が抱きしめる





「何して…」





「やっと話したな…こっち来いよ」






彼に手招きされるけどそこがベッドで抵抗感で足が動かない





男なんて思うことは全員一緒のようだ






少しすると彼がベッドから立ち上がりキッチンの方に行くとお湯を沸かす






「まぁいいよ…とりあえず風呂に入りな」






そう言うけどお風呂の場所なんて知らない





彼はドアを開いてどうぞと手招きをする





私は脱衣所の鍵を閉めて風呂に入る





お風呂を出て髪の毛を乾かしてるとノックされる





「ここに着替え置いとくから適当に着ろ」





そう言うと足音が消える






私は鍵を開けて隙間から置いてある服をとる





黒の上下の大きめのスウエットズボンも上も大きいけれど下は何とかゴムがあるから大丈夫…





髪の毛を乾かし終えると部屋に戻る





「…」





「あぁ…早かったな」






早くなんてない…すごく時間かかった





だって片腕で全てをしたから





彼はそれを考慮してそういったのだろう





「俺次はいるからそこら辺のもの勝手に使っていいし好きなようにして」






そう言うと彼は脱衣場に向かっていった





好きな事をしていいと言われると逆にわからなくなり1度ソファに座る






過ごして彼が髪の毛を首元のタオルで拭きながらでてくる






私の方を見る






「お前…ずっと座ってただけか…」





そう言うと彼は冷蔵庫から牛乳を取り出す





「お前ミルクホットかそのままどっちがいい?」






質問されていつもならお風呂上がりはスッキリしたいからそのまま飲むけど今はほっとしたい気分






「ホットで」






彼は返事を聞くと用意してくれる







彼もホットなのか一緒に温める







私の元へ持ってくると手元を私に向けてテーブルに置く







コップを手に取り飲もうとするとさっきのことを思い出す







この人トワって呼ばれてた…あの女の人が言っていた薬を渡した人物…そして彼女が言ってた同一人物だ






その人の家にいて飲み物を出された






口をつけたように見せて飲まないでおく






少ししてから彼は私に近づく






「お前一口も飲んでないじゃねぇか…」






その言葉にビクッとなる






怒られるのだろうか殴られるのであろうか






目をぎゅっと瞑る





「お前…もう休め…」





私の手を引くとベッドに座らせられる







男は離れるとソファに横になる






電気を消され照明だけつけられる







< 72 / 79 >

この作品をシェア

pagetop