もらってください、花宮先輩。〜君の初めてが全部欲しい〜
気に入らない。
現在私は、空気の凍るような恐ろしい現場に立ち会っている。
現在、二年生の廊下で周りの人達は遠巻きにひそひそとこちら見つめている。
私はあうあうと口を開けては閉じてを繰り返してはみるものの、なかなか言葉が出てこない。だって────。
「その首元のボタンを閉めてネクタイをして下さい。違反です」
「……あ?」
「聞こえなかったんですか?校則違反です」
ダメだよ!ダメだから高野さん!!その明らかに不良でヤバそうな二年生にそんなこと言ったら、どうなるかなんて……!!
「お前ら、それ俺に言ってるのか?」
────終わった。
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