キミに幸せの花束を
鳥籠の中

再会

──ピピピッピピピッ


「んっ…」


目を開けると眩しい朝陽に目を細める。


もう朝かぁ…


…また今日も長い1日が始まる。


「おはよう恋莉」


そう言って隣で眠っていた男の人は私を抱きしめた。


「おはようございます…悠斗さん」


嬉しそうに微笑む悠斗さんに私も曖昧に微笑んだ。


私たちは一応、恋人。


だけど私はこの人を佐伯 悠斗さんを愛していない。


私はこの人の人形、だから。


「…ツ」


抱きしめられると、この人に殴られた傷が痛む。


私を愛してるって言うのに何か気に入らないことがあれば私を殴る。


呼吸をするだけで痛くて、気を抜けば泣いてしまいそうで…


だけど私はこの人から逃げることができない。辛くても、生きなきゃいけない。


…私のたった1人の家族が人質だから。


あの子を守ることが私の生きる意味。


あの子が無事なら私はどうなってもいい。


「私、学校行かなきゃ…」


そう言って私はベッドから降りた。



私は一ノ瀬 恋莉。


星蘭高校に通う高校2年生。


星蘭高校は不良が多くて女の子は怖がってあんまり入ってこないみたい。


通ってる女の子はほとんどレディースの子たち。


私はレディースでもないし、喧嘩なんてできないからこんな学校嫌だけど…悠斗さんの命令だから仕方ない。


「……」


鏡に映る自分の体をみるとアザだらけ。


肌が白いからよけいに目立つなぁ…


結構可愛い制服に着替えて、朝ごはんを食べずに家を出る。


「行ってきます」


「恋莉…早く帰って来ないとダメだよ?」


キミは僕のものなんだから、と言って愛おしそうに私を抱きしめるこの人の心情がいまだに分からない。


「すぐに…帰って来ますから…」


「うん」


早く出ないと…


学校は好きじゃないけど、家にいるよりはずっといい。


私は逃げるように家を出た。


──今日新しい出逢いがあると知らずに。



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