キミに幸せの花束を
「悪い…」


「…大丈夫です」


掴まれた腕がズキズキする。


「腕ちょっと見せろ」


「嫌です…」


「何でだよ?」


「嫌なものは嫌なんですっ」


私は長袖を着てるから腕は見えない。


傷が見えちゃうから腕まくりとか半袖なんて着れないもん。


頑なに腕を見せない私に痺れを切らしたのか、勝手に袖をまくられた。


えっ…どうしよう…!


「…ッ」


私の腕を見た如月さんは驚いたように目を見開いた。


「これどうしたんだ?」


「…私、鈍臭いのですぐにぶつけちゃうんです」


「そんなんでこんなアザにならねぇだろ!」


た、確かに…


腕にある無数のアザは赤黒くなっている。


「えっと、えっと…」


いろいろ言い訳を探すけどいいのが見つからない。


どうしよう…


「…とにかく行くぞ」


「え?行くってどこに…キャッ!」


フワッと急に如月さんに抱き上げられた。


…何で私お姫様抱っこされてるの?!


恥ずかしいし、重いしやめてほしい…!!


「お、おろしてくださいっ!」


「嫌だ」


恥ずかしがる私を見てニヤッと笑ってそのまま歩き出した。



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