堂くん、言わないで。
ティーパーティーは突然に







放課後の図書室でわたしはマフィンを取り出した。


今日の調理実習でつくったやつ。

味はプレーンとくるみとバナナと、あともう1種類。



「堂くんマフィンいる?」


いっぱい余ってるそれは、わたしひとりじゃ消費しきれない。

家にも持って帰るけれど、それでも食べきれないくらいには余っていた。



「マフィン」

「これ。お菓子。調理実習でつくったの」


耳のすぐ後ろから声が聞こえてくることにも、ようやく慣れはじめた今日この頃。


なんやかんやあったけど、わたしはまたこうして放課後の図書室に通っているし、堂くんはわたしをぽかぽかカイロとして使う。

最初こそ気まずくなるかと思ったけど案外堂くんが普通だったから、わたしもそんなにぎくしゃくせずに済んでいる。



「みくるが?」

「うん。正確には同じ班のみんなでだけど」


わたしは戦力になれていたかわからない。

だってまるで腫れ物に触れるかのような扱いだった。


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