堂くん、言わないで。


「あっ」

「あ?」


堂くんがすこし強めに本をしまった振動で、はみ出した本たちがぐらりと揺れた。



落ちるっ……堂くんの上に!




「あぶないっ!」


わたしはとっさに堂くんを守ろうと飛びだした。

勢いあまってどんっと押し倒して。





「っ……!」









────唇になにか、柔らかい感触。


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