【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
「集まりの会場まで案内してもらえるかしら、パトリ――」

 言い切るまえに、パトリックは駆け出した。
 リードを手に巻きつけていたキャロルは、引っ張られるように走り出す。

「わわわっ! パトリック、ゆっくり! ゆっくりお願いします!」
「ワン!」

 一目散に走っていくパトリックに引きずられて、キャロルは堀に渡された橋を駆け抜け、下町情緒ある裏路地を通りぬけた。
< 137 / 367 >

この作品をシェア

pagetop