【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
(わたくしは、一体どうしたいのかしら……)

 続けて、二人だけのダンスがはじまる。

 薔薇を胸元に挿したキャロルは、レオンと手を取り合って踊った。
 絶妙な三拍のリズムにのせて、管弦オーケストラの旋律がたゆたう。ステップを踏めば、ここはもう光の川のなか。

 キラキラと輝くレオンの瞳に、キャロルが写っている。
 甘くとろけそうな表情は、自分に恋でもしているかのようだ。

「――キャロル。会わせたい人がいるんだ」

 唐突に、レオンが言った。
 夢から引き戻されて、キャロルは目を瞬かせる。

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