【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
 大好きなレオンの幸せのためならば、キャロルはどんな苦難だって乗り越えてみせる。キラキラ目を輝かせるキャロルに、立ち上がったレオンは困りげに微笑んだ。

「君がそうしたいならやればいいよ。だけど、十二夜目までに、君が疑っている『俺の本当に好きな人』が見つからなかったり、俺の好きな人と異なる人を連れてきたりしたら、問答無用で君を花嫁にするよ」

 レオンは白い手袋を外して、そっとキャロルの頬を撫でた。

「たとえ薔薇を捨てても、君は俺のものだ。……いいね?」
「はい。そうはなりませんから、ご期待くださいませ」

 キャロルの胸が弾んだ。レオンと勝負なんて、生まれて初めてだ。
 わくわくしていたので、キャロルはよく見ていなかった。自分を見るレオンの目が、実は少しも笑っていないことに。
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