【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
「なんて美味しいのでしょう!」

 瞳を輝かせて、もくもくと食べるキャロルを、レオンは幸せそうに見つめている。
 頭のうえに浮かんだ『∞』に動きはないが、うっとりした瞳はまるで『好き』と伝えてくるようだ。
 そんな表情は、キャロルではなく恋人に向けてほしい。

(レオン様とここで出会ったのは、ほんとうに偶然なのかしら?)

 疑いはつのるけれど、キャロルの脱走に気づいて探しにきたにしては妙だ。
 一晩かけてねりあげた計画書は、兄にしか見せていない。セバスティアンが水玉パジャマのまま早馬を走らせて、王城にいるレオンに報せたというのも考えにくい。

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