円城寺家のイケメン探偵 ~脅迫状に込められた思い~
こんなイケメンなのに…


『依頼なら大歓迎だよ。入ってもらって』


初音ちゃんに言われたことなんか気にも止めず、凛音は優しく言った。


『失礼します』


ゆっくりと中に入ってきたその彼女は、少し恥ずかしそうにしてる。


背が小さくて、ちょっとぽっちゃりした高校生らしい可愛らしい女の子だ。


『は、初めまして…赤田 菜摘(あかだ なつみ)です。優愛高校の演劇部の部長をしています』


『こんにちは。よく来てくれたね。僕が探偵だってことは誰から?』


『あ、はい。初音さんのお兄様が探偵をしてらっしゃることは、教頭先生に伺いました。前に学校で起きた難事件を解決されたとかで…でもまさか、こんなに素敵な方が探偵さんだなんて…驚きました』


思わず、頬を赤らめる赤田さん。


『まあ、菜摘さん。凛音お兄様が素敵ですって?凛音お兄様は女性に興味がなくて、未だに彼女もいないんです。どこが素敵に見えるんですか?』
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