円城寺家のイケメン探偵 ~脅迫状に込められた思い~
『山口先生は佐々木先生が階段から落ちた時、何をされてましたか?』


かなり率直な質問。


『ど、どうしてそんなことを?』


山口先生が驚きの表情で聞き返す。


『先生は、佐々木先生が階段から落ちたのを目撃した生徒に、その時のことを質問されましたね?なぜそんな質問をされたんですか?』


『…そ、それは、教師として状況を聞いたまでです』


眼鏡の奥の目が泳いでる。


『教師として聞いたなら、それは教頭や他の先生に相談するべきじゃないですか?なのに…あなたは大切な情報を誰にも伝えなかった』


詰め寄る凛音。


『それほど大切な情報ではないでしょう…私は特に重要じゃないと判断しました。だから誰にも言わなかっただけです。すみません、そろそろ練習に戻らないと。佐々木先生がいない分、私が指導しないといけませんので』


山口先生は、慌てた様子で部室に入っていった。


置き去りになった私達。


とにかく、今日は一旦円城寺家に戻ることにした。
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