今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
「つまり、あなたも気に入らないわけね?」


「そ、そういうわけでは……」


「いいのよ、別に。この際本音で話しましょうよ」


「で、でも」


背の高い彼女は上から冷たい目で見下ろしてきた。


後退りして、思わずコクッと息を呑んだ。


「私もあなたもお互い気に入らないってことでいいわよ」


「気に入らないとか、そこまで言ってませんけど」


「いいわ、はっきりさせましょうよ」


「なにをですか?」


げんなりしながら尋ねた。


完全に向こうのペース、っていうか一方的すぎて言葉のキャッチボールができていない。


「どちらが妹として上か決めるの」


「……」


「負けた方は潔く手を引くのよ」


「……」


なにそれ、意味がわかんないよ。


手を引くって、妹をやめるってこと?そんなことができるわけないし。
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