今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。

よくわからないけど、嫌な予感がして不安だよ。


必死に首を振って、行ったらダメってジェスチャーしていたら、しばらく通話してから翔くんは電話を切ってくれた。


「断ってくれた？」


「ああ、行かないって言ったらめちゃめちゃ怒ってたけど……」


「そっか」


愛華さんには悪いけど、やっぱり彼を彼女のところに行かせたく無いと思った。


「でも心配だから後でまた電話してみるよ」


「う、うん。そうしてあげて」


そうだよね、やっぱり心配なんだろうな、電話くらいなら仕方ないか。


そう自分に言い聞かせて、フウッと息を吐いた。


「やっぱり愛華さんには黙ってたほうがよかったよね、ごめん」


こうなったのは私が軽率に彼女に秘密をはなしてしまったせいだ。


けれど、翔くんは優しくこう言った。


「いいよ、気にしなくても。いずれわかることだから」


「うん」