今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
♡Love ♾ 11

2人で居残り勉強。



「瀬戸さん、おーい、大丈夫?」


「……」


「瀬戸さんってば」


目の前にひらひらと振られた手を見てハッと我にかえった。


「へ?」


すぐ横から西原くんが心配そうに私を覗きこんでいる。


夏の勉強合宿にきている私たちは老舗旅館の大広間に集められていた。


窓からは海が見渡せて開放的ではあるけど、生徒たちは4泊5日の4日目まで旅館に缶詰め状態。


5日目にようやく自由行動になり海で泳げることになっている。


この大広間はクーラーがあんまり効いていないからちょっと蒸し暑い。


ひたすら課題のプリントを解いている最中だったけど、私の心はどこか遠くへ行ってしまっていたみたい。


シャーペンを持つ手もだらんと机の上に投げ出していた。

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